意外と知らないテキーラの秘密 Part25|高いテキーラが高い理由

テキーラ 高級 クラセアスール

高いテキーラって、ブランド代だと思っていませんか?

もちろんブランド力もあります。でも本当の差は、「どこを削って、どこを残すか」という製造上の判断にあるんです。

たとえばドン・フリオ 1942、そしてクラセ・アスール。どちらも日本で有名な高価格帯のテキーラです。でも、原料のブルーアガベは他のテキーラと同じく6〜8年かけて育てたもの。では何が違うのか。3つのポイントで解説します。


① 蒸溜時の「カット」——多く捨てるほど上質になる

蒸溜の工程では、最初に出てくる液体を「ヘッド」、最後に出てくる液体を「テイル」と呼びます。ヘッドには刺激の強い成分、テイルには雑味が多く含まれるため、この両端を切り落として真ん中の「ハート」だけを取り出します。

ここがポイント。ヘッドとテイルを多めに切り落とすほど、味はクリアで上品になります。しかし取れる量は減る。同じアガベを使っても仕上がりの液体が少なくなるわけです。

つまり高級テキーラは、味のために歩留まりを犠牲にしている。量産テキーラがカットを控えめにして量を確保するのとは真逆のアプローチです。


② 熟成期間と「天使の分け前」

熟成期間が長いほど、出荷までに時間がかかり、その間の在庫コストが積み上がります。アネホなら1〜3年、エクストラ・アネホなら3年以上。その間、蒸溜所は原酒を樽に寝かせたまま出荷できません。

さらに、熟成中は少しずつアルコールや水分が蒸発します。これを「天使の分け前(エンジェルシェア)」と呼び、年間2〜5%程度が自然に失われます。メキシコの温暖な気候ではこの蒸発も速く、時間をかけるほど中身は減り、コストは上がるのです。


③ ブランド設計——ボトルから体験まで

製造コストだけでなく、ブランドの設計も価格に反映されます。

クラセ・アスールは、職人が手描きで仕上げる陶器ボトルが象徴的。ボトルだけで相当なコストがかかっており、飲み終わった後もインテリアとして残る「体験」込みの価格設計です。

ドン・フリオ 1942は、高級ラインとして世界基準の価格帯を維持。高品質な原酒と洗練されたパッケージで、プレミアムテキーラの代名詞というポジションを確立しています。


まとめ:高い理由は「3つの投資」

高いテキーラが高いのは、ブランド名だけが理由ではありません。

  • 蒸溜で多くを捨てる——歩留まりを犠牲にして味を磨く
  • 熟成で量が減り、時間がかかる——天使の分け前と在庫コスト
  • ブランドで価値を設計する——ボトル、体験、世界観

この3つの投資が重なった結果が、あの価格。逆に言えば、「高い理由」がわかると、そのテキーラが何にこだわっているのかが見えてきます。

テキーラで一体感を生み出そう。一体感テキーラ。


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