「テキーラ=一気飲み」。日本ではこのイメージがまだ根強く残っています。
でも実は、本場メキシコではテキーラを一気飲みすることはほぼありません。そしてテキーラの一気飲みには、他のお酒にはないリスクがあるんです。
テキーラの一気飲みが危険な理由
テキーラのアルコール度数は38〜55度。ビール(5%前後)の約8〜10倍、ワイン(12〜15%)の約3倍の濃度です。
ショットグラス1杯(約30ml)を一気に飲むと、約12mlの純アルコールが一瞬で体内に入ります。これはビール1缶の約半分に相当する量を、数秒で摂取するということ。
さらに問題なのは、一気飲みの場では1杯では終わらないこと。「もう1杯」「もう1杯」と短時間で繰り返すと、肝臓の分解が追いつかず、急性アルコール中毒のリスクが高まります。テキーラに限らず蒸溜酒の一気飲みは、度数の高さゆえに危険度が他のお酒より高いのです。
「一気飲み文化」はメキシコの伝統ではない
テキーラの一気飲みが広まった背景は、アメリカのクラブ・パーティー文化です。
1980年代、アメリカの大学生がスプリングブレイク(春休み)にメキシコへ旅行し、安いテキーラをショットで何杯も一気飲みする文化が生まれました。ライムをかじって塩を舐めるあのスタイルも、テキーラの味を楽しむためではなく、安いミクストテキーラの刺激をごまかすための飲み方として定着したものです。
本場メキシコでは、テキーラはコパグラスやカバジートで少しずつ味わうお酒。一気飲みは「テキーラへの敬意がない飲み方」とすら言われます。
悪酔いの原因は「一気」×「安いテキーラ」
テキーラで悪酔いする原因は、飲み方と品質の掛け算です。
一気飲みの場で出てくるテキーラは、ほとんどがミクストテキーラ。ブルーアガベ51%で、残り49%はサトウキビやトウモロコシ由来の糖分。さらにカラメル色素や甘味料などの添加物が含まれていることもあります。
こうしたミクストテキーラを一気飲みで何杯も重ねれば、副原料と添加物が体に蓄積し、頭痛や二日酔いの原因に(※個人差あり)。「テキーラは悪酔いする」というイメージは、一気飲み × ミクストテキーラの最悪の組み合わせが作ったものです。
テキーラの本来の楽しみ方
テキーラは一気に飲むのではなく、ゆっくり味わうのが本来の楽しみ方です。
ストレート:コパグラスに少量注いで、香りからじっくり。アガベの甘み、柑橘、バニラのニュアンスを感じながら、一口ずつ味わう。
ソーダ割り(テキーラハイボール):テキーラ1にソーダ2.5〜3。炭酸がアガベの香りを引き立てるアロマリフト効果で、ストレートとは違った表情を楽しめます。食事にも合わせやすい。
少量ショット:どうしてもショットで飲みたいなら、通常の30mlではなく約10mlの「一体感㍉㍑」。味を確認するための量にすれば、アルコールの刺激を抑えながら香りも楽しめます。
選ぶテキーラを変えるだけで体験が変わる
一気飲みのイメージを変えるには、飲み方を変えること。そして飲むテキーラを変えること。
100%ブルーアガベの無添加テキーラなら、アガベ本来の自然な甘みと爽やかな香りがあるので、一気に流し込むのがもったいなく感じるはず。ゆっくり飲んでも翌日スッキリという声が多いのも、余計なものが入っていないからです(※個人差あり)。
テキーラは罰ゲームの道具でも、一気飲みの酒でもありません。一杯を大切に味わうお酒です。
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