いま日本で、タコスブームが起きているのを知っていますか?
7/21放送の「マツコの知らない世界」でタコスが特集されたのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。メキシコ料理店・タコス店の店舗数は2026年4月時点で1,469店舗。前年比13.7%増で、2年連続の二桁成長です。
大手も続々参入
サブウェイがタコスサンドを発売し1ヶ月で50万食が完売。モスバーガーがタコスバーガー、松屋がタコライスを投入。大手チェーンが相次いでメキシコ系メニューに参入しています。
タコスはもはやニッチな食べ物ではなく、日本の外食シーンのメインストリームに入り始めています。
理由①:日本人の食文化との相性がいい
なぜこれほどタコスが日本で受けているのか。ひとつは日本人の食文化との構造的な相性です。
タコスは具材を自分で選んでカスタマイズできる。小さくて何個でも食べられる。好みのサルサを自分でかける。この食べ方の構造は、日本人がもともと好きなスタイルとよく似ています。
寿司のネタ選び、ラーメンのトッピング、串やたこ焼きのような屋台文化。**「少量ずつ、自分好みに、複数の味を楽しむ」**という感覚が、タコスとぴったり重なるのです。
理由②:健康志向とSNSとの相性
もうひとつは、現代の消費トレンドとの合致です。
本場のタコスに使うコーントルティーヤはグルテンフリー。健康志向の高い層にとって、小麦粉を使わない選択肢として魅力的です。
さらに、色とりどりの具材が並ぶタコスの見た目はSNS映え抜群。カラフルなビジュアルがInstagramやTikTokで拡散され、若い世代のタコスへの入口になりました。

理由③:「本物のタコス」が日本に入ってきた
でも一番本質的な理由は、本場のタコスが日本に入ってきたことです。
かつて日本で流通していたのは、パリパリのハードシェルにチーズやレタスを乗せたアメリカ式タコス(テクスメクス)がほとんど。Part55で紹介したとおり、あれはメキシコ料理ではなくアメリカ生まれの料理です。
それが2020年代に入って、コーントルティーヤを使った本場志向の店が急増。コロナ後に「本物の食体験」を求める消費者意識の高まりと重なり、本物のタコスと出会った日本人がハマっていった。
日本人は食に対して本物を求める国民性がある。タコスブームの正体は、その気質と、本場のタコスの出会いだったのです。
次に来るのはテキーラかもしれない
タコスブームと同じ構造が、テキーラにも起き始めています。
テキーラはまだ「罰ゲームで飲むお酒」というイメージが残っていますが、本場志向のタコスが日本に広まったように、本物のテキーラを求める動きも確実に起きています。
CRT(テキーラ規制委員会)の公式データによると、日本向けテキーラ輸出量は2022年から2023年だけで前年比53.6%増。日経トレンディの2025年ヒット予測でもプレミアムテキーラがランクインしました。
タコスで本物のメキシコの味を知った日本人が、次に向かう先はテキーラかもしれません。そしてその一杯は、罰ゲームのショットではなく、タコスと一緒にゆっくり味わうテキーラソーダになるはずです。
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