メキシコの人が、お酒を飲んだ翌朝に食べるスープを知っていますか?
お酒をよく飲むメキシコには、体をリセットするための伝統的なスープが根づいています。しかもそのスープ、テキーラと深いつながりがあるんです。
メヌード——メキシコの「二日酔いスープ」の定番
ひとつ目はメヌード(Menudo)。牛の胃袋を、唐辛子の効いた真っ赤なスープでじっくり煮込んだ料理です。
メキシコでは二日酔いの朝に体を整える定番として親しまれており、1月は「ナショナル・メヌード月間」とされているほどの国民食。塩気のあるスープが水分と電解質を補い、唐辛子の辛さで発汗を促してスッキリさせる。科学的な根拠はさておき、メキシコ人が「飲んだ翌朝はメヌード」と言うのは、何世代にもわたって受け継がれてきた生活の知恵です。
日本でいう「飲んだ翌朝のしじみ汁」に近い存在。メヌードの場合はそこに唐辛子の刺激が加わるのがメキシコらしいところです。
ビリア——テキーラの故郷ハリスコ州が発祥
ふたつ目はビリア(Birria)。ヤギ肉(現在は牛肉も主流)を乾燥唐辛子でじっくり煮込んだ濃厚なスープです。
メヌードと同じく飲んだ翌朝に食べられるスープですが、ビリアはスパイスの層が厚く、より深い旨みが特徴。最近では、このビリアの煮汁にトルティーヤを浸して焼いた「ビリアタコス」が世界中でバズり、SNSで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
そしてここが面白いポイント。ビリアの発祥地は、ハリスコ州なんです。
ハリスコ州といえば、テキーラの故郷。テキーラ村があり、世界のテキーラの約9割がこの地で生まれています。つまりビリアは、テキーラの本場で生まれた一杯。テキーラを飲んだ翌朝にビリアを食べるという流れは、ハリスコ州ではごく自然な日常なのです。
なぜスープが二日酔いに効くとされるのか
メヌードもビリアも、二日酔い対策として理にかなっている要素があります。
水分と塩分の補給。アルコールの利尿作用で失われた水分と電解質を、温かいスープで効率よく補えます。
唐辛子による発汗。メキシコの二日酔いスープには必ず唐辛子が入っています。辛さで汗をかき、体の巡りを促す。メキシコ人が何世代にもわたって実践してきた経験則です。
タンパク質と脂質。牛の胃袋やヤギ肉のタンパク質と、スープに溶け出した脂質がエネルギーを補給。空っぽの胃に染み渡ります。
テキーラの本場の食文化を知ると、テキーラがもっと面白くなる
テキーラだけでなく、その周りにある食文化を知ると、テキーラの世界がもっと立体的に見えてきます。
テキーラを飲む前にはタコス、飲んでいる間にはパローマ、翌朝にはビリアかメヌード。メキシコの人たちは、テキーラを中心にした食の流れを持っているのです。
飲んだ翌日は、メキシコに倣ってあたたかいスープはいかがでしょうか。
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