テキーラとメスカルの違いは?原料・産地・製法を比較|意外と知らないテキーラの秘密 Part10

テキーラ メスカル 違い

「メスカルって、テキーラと何が違うの?」

最近バーやSNSで見かけることが増えたメスカル。テキーラと同じメキシコのアガベの蒸溜酒ですが、実はかなり違うお酒です。この記事では、テキーラとメスカルの違いを5つのポイントで比較します。


そもそもテキーラとメスカルの関係

まず大前提。テキーラはメスカルの一種です。

「メスカル」はアガベを原料とする蒸溜酒の総称。その中でもブルーアガベを使い、メキシコの特定5州で、特定の製法で造られたものだけが「テキーラ」を名乗れます。

つまりすべてのテキーラはメスカルだけど、すべてのメスカルがテキーラではない。シャンパンがスパークリングワインの一種であるのと同じ構造です。

かつてはアガベの蒸溜酒をすべて「メスカル」と呼んでいましたが、テキーラが独自の原産地呼称を取得して分離。テキーラが近代化の道を歩んだのに対し、メスカルは伝統製法を守り続けた——という歴史があります。


違い①:原料のアガベの種類

テキーラ:使えるアガベはブルーアガベ1種類だけ。原料が統一されているからこそ、蒸溜所ごとの技術や熟成の違いで味が分かれます。

メスカル:30〜50種類以上のアガベが使用可能。エスパディン、トバラ、テペスターテなど、品種ごとにまったく異なる風味を持っています。野生のアガベを使ったものもあり、中には収穫まで25年以上かかる品種も。同じ「メスカル」でも味の幅がとんでもなく広いのが魅力です。


違い②:産地

テキーラ:メキシコのハリスコ州を中心とした5州のみ。世界のテキーラの約9割がハリスコ州で造られています。

メスカル:9つの州で生産が認められており、中でもオアハカ州が最大の産地。テキーラよりも広い地域で造られていますが、こちらも原産地呼称で保護されたお酒です。


違い③:製法——蒸す vs 蒸し焼き

テキーラとメスカルの最も大きな味の違いを生むのが、アガベの加熱方法です。

テキーラ:レンガ造りのオーブンや蒸気釜(オートクレーブ)でアガベを蒸す。クリーンで爽やかな味わいに仕上がります。

メスカル:地面に掘った石窯(タテマド)でアガベを蒸し焼きにします。土と石の中で燻されることで、メスカル特有のスモーキーな香りが生まれる。このスモーキーさがメスカル最大の特徴であり、ハマる人はとことんハマるクセのある味わいです。


違い④:味わいの傾向

テキーラ(ブランコ):アガベの甘み、柑橘のような爽やかさ、クリアなキレ。スムーズで飲みやすい。

メスカル(ホベン):スモーキーで野性的、土っぽさやハーブのようなニュアンス。複雑で力強い。

テキーラが「都会的でスムーズ」なら、メスカルは「野性的で土着的」。好みが分かれますが、どちらが優れているという話ではなく、方向性がまったく違います。


違い⑤:熟成の考え方

テキーラはブランコ、レポサド、アネホ、エクストラ・アネホと熟成カテゴリが4段階あり、樽熟成で味の幅を広げる文化が根づいています。

メスカルは熟成をほとんど行わないものが主流。アガベ本来の風味とスモーキーさを最大限に楽しむために、あえて樽に入れないものが多い。熟成メスカルも存在しますが、テキーラほど一般的ではありません。


テキーラとメスカルの違い比較表

項目 テキーラ メスカル
関係 メスカルの一種 アガベ蒸溜酒の総称
アガベ品種 ブルーアガベのみ 30〜50種以上
産地 メキシコ5州 メキシコ9州
加熱方法 蒸す(オーブン/蒸気釜) 蒸し焼き(地下石窯)
味の傾向 クリーン・爽やか スモーキー・野性的
熟成 4段階(ブランコ〜EA) 熟成なしが主流
管理機関 CRT(テキーラ規制委員会) CRM(メスカル規制委員会)

テキーラ好きならメスカルも、メスカル好きならテキーラも

テキーラとメスカルは兄弟のようなお酒。片方を知ると、もう片方の魅力がもっと見えてきます。

テキーラが好きな方は、メスカルのスモーキーな個性にぜひ触れてみてください。逆にメスカルのクラフト感が好きな方は、テキーラの中にも家族経営の蒸溜所が手間をかけて造る、クラフトなテキーラがあることを知ってほしい。

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