テキーラの値段は、原料であるブルーアガベの価格に連動しています。そしてそのアガベ、今とんでもないことになっているんです。
アガベ価格の急騰と暴落
ブルーアガベは成熟するまでに7〜9年かかる植物。需要が増えても、すぐに増産できないのがテキーラ特有の構造です。
2010年代後半、テキーラが世界的に人気になりアガベの需要が急増しました。供給が追いつかず、アガベの価格はキロあたり32ペソまで高騰。この時期にテキーラが値上がりしたのは、この原料コストの上昇が大きな原因でした。
ところが、高値を見た農家が一斉にアガベを植えた結果、2023〜2024年に供給が急増。収穫できるアガベが市場にあふれ、価格はピーク時から約90%下落し、2〜3ペソまで暴落しました。
農家にとっては深刻な事態
アガベ農家にとって、この暴落は非常に厳しい状況です。
7〜9年かけて育てたアガベが、収穫のタイミングでほぼ無価値になってしまった。育成にかけた年月と労力、その間の管理コストを考えると、キロ2〜3ペソでは採算が合いません。中には収穫せずにアガベを放置したり、畑をたたむ農家も出てきています。
テキーラの華やかなブームの裏側で、原料を育てる生産者がこうした厳しい現実に直面していることは、知っておくべき事実です。
消費者にとっては「買い時」
一方で消費者の立場から見ると、原料コストが大幅に下がっている今は、品質の高いテキーラが比較的手の届きやすい価格で出回りやすい時期でもあります。
蒸溜所にとっても安くアガベを仕入れられるため、品質を維持しながらもコストを抑えた製品を出しやすい環境。プレミアムテキーラに初めて手を伸ばすなら、今はいいタイミングと言えます。
ただし、このサイクルは繰り返す
重要なのは、アガベの価格サイクルは過去にも何度も繰り返されてきたということです。
不足→高騰→大量植え付け→供給過多→暴落→植え付け減少→再び不足——このサイクルが7〜9年周期で回っています。今は暴落期ですが、農家が植え付けを減らせば、数年後にまたアガベ不足が来る。そのときはテキーラの価格が再び上がります。
つまり、テキーラの将来の値段は、今農家がどれだけアガベを植えているかで決まるのです。7〜9年後の収穫量が、そのときのテキーラの価格を左右します。
まとめ
テキーラの価格は、アガベの供給サイクルに連動する独特の構造を持っています。2024年時点でアガベ価格はピークから約90%下落。消費者にとっては、プレミアムテキーラが手に入りやすい時期です。
ただし、このサイクルは必ず繰り返す。今のうちに良いテキーラと出会っておくのは、賢い選択かもしれません。
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