ガソリン、食品、日用品——あらゆるものが値上がりしている2026年。お酒の値段も気になるところです。
きっかけは2026年2月に始まったアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことで原油価格が急騰し、エネルギーコストの上昇が物流コストに波及。あらゆる輸入品の価格に影響が出ています。
でも実は、テキーラはこの影響を比較的受けにくい構造になっています。
理由①:ホルムズ海峡を通らない
ホルムズ海峡はペルシャ湾の出入口にあり、中東産の原油が世界に運ばれる最重要ルートです。ここが封鎖されたことで、中東経由の輸送に依存する製品は軒並み影響を受けています。
しかしテキーラはメキシコ産のお酒。日本への輸送ルートは太平洋を渡るか、パナマ運河を経由するルートが主流で、ホルムズ海峡をまったく通りません。中東情勢の影響を直接受けない地理的な強みがあるのです。
もちろん、原油価格の高騰は世界全体の物流コストを押し上げるため、まったく無関係とは言い切れません。ただ、中東からの輸入品と比べれば、メキシコからの直接輸送ルートを持つテキーラは構造的に影響が小さいのです。
理由②:日本とメキシコの関税がゼロ
もうひとつの大きな理由が、日本とメキシコの間で結ばれているEPA(経済連携協定)です。
この協定により、メキシコから日本に輸入されるテキーラの関税は事実上ゼロ。多くの輸入酒が関税や為替の影響で価格が上がりやすい中、テキーラはその負担が軽減されています。
たとえばヨーロッパからのワインやウイスキーは、輸送距離が長く、関税の仕組みも異なるため、エネルギーコストの上昇がダイレクトに価格に反映されやすい。それに比べてテキーラは、関税ゼロ+中東を通らない輸送ルートという二重の優位性を持っているのです。
地政学リスクに強いお酒
今回のホルムズ海峡封鎖に限らず、世界の地政学リスクが高まるたびに輸入品の価格は不安定になります。中東情勢、エネルギー危機、輸送ルートの混乱——こうしたリスクに対して、テキーラは構造的に耐性がある珍しいカテゴリのお酒です。
メキシコという中東から離れた産地、太平洋を渡る輸送ルート、そしてEPAによる関税優遇。この組み合わせが、テキーラの価格安定性を支えています。
まとめ
世界が混乱するほど、落ち着いて飲める一杯の価値が上がるのかもしれません。
テキーラは地政学的にも経済的にも、日本にとって「届きやすいお酒」。その事実を知っておくと、次の一杯を選ぶときの視点がまたひとつ増えるはずです。
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